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Read On! 6

How the Brain Works
脳はどのように働くのか


今までにテニスをしたことがありますか? テニスの上手い選手は、素早く反応しなければいけません。プロの試合では、サーブは時速125マイルで、あるいは、140マイルでさえも打たれます(→サーブの初速は時速200~225kmにもなります)。(サーブされた)ボールはネット(の上)を横切って、約3分の1秒で君のことろに到達します。これはとても速くて、普通の人がボールを打ち返すために正しい向きに体を向ける十分な時間さえないように思えます。でも、トップ選手は分割した秒の正確さで正しい場所を通ってラケットを振るのに十分なくらい、しっかりとボールを見ることができます(→トップ選手はボールをしっかりと見て、コンマ何秒かの正確さで正しいスイングでラケットを振ることができます)。このスピードでは、わずか千分の数秒早すぎても遅すぎても、結果は空振り、打ちそこないのボールとなります(→空振りに終わり、ボールを打ちそこないます)。


Time lag
タイムラグ

ですから、みなさんは脳や神経システムがとても素早く働いているに違いないと考えることでしょう。しかし、そんなことはありません。たとえ脳や神経システムが時速数百マイルで信号を送ったとしても、神経は入力を出力に変えるのに(→入ってくる信号・情報を次に伝達するのに)たくさんの時間を必要とします。

科学的な実験によれば、新しい情報を統合するのにどのくらい(長く)かかるのかわかっています。実験では、明かりがピカッと光るのを見るとすぐにボタンを押すように依頼された場合に、みんな千分の200秒かかります。優に5分の1秒はかかるのです。光がピカッと光っているのに気づくには約千分の120秒が必要で、もう千分の80秒が指を動かすのに必要とされます。しかも、この反応時間は何も考えなくてもよい単純作業の場合です。いくつかの可能な反応の中から1つの反応を意識的に選ぶような慎重な注意が必要とされるどんな作業の場合にでも、反応の遅れは2分の1秒近くになります。

脳の中での処理には時間がたくさんかかり過ぎて、誰もテニスの試合何てできないように思えます。その点に関しては、車の運転をしたり、卵焼きを裏っ返したりもできないことでしょう。


Processing shortcuts
処理のショートカット

脳はこうしたことを行うのに、いつもできるだけ少ない時間で問題を改善します(→問題に対処します)。(脳が)十分に意識的な、注意のレベルの心的な反応を形作るために(情報が)脳の処理システム全体に行きわたるには、約2分の1秒かかります。(脳が)脳内の数百ものいろんな部位をよく調節された反応の状態に持って行くには、たくさんの活動が必要になります。でも、脳は学習することで、こうした完全なスケールの反応を短くし、その代わりに習慣で反応できるようにします。処理時間を千分の500秒から「わずか」千分の200秒程度に短縮するのです。

しかし、このような近道は反応の遅れを2分の1秒から5分の1秒(の時間)に減らすだけです。1階分の階段を歩いて降りたり、熱いコーヒーをカップに注いだりすることさえ千分の1秒レベルの正確さを要求する作業だということを考慮すると、まだ説明されなければいけない大きなギャップが残っています。


Brain anticipation
脳の予測

答えは簡単です。脳は予測するのです。脳は上手に推理できるようになります。一つひとつの新しい動きが直前の動きにとてもよく似ているだろうと、脳は多かれ少なかれ予想することができます。事故のような何らかの突然の思いがけないことがあった場合でさえも、自分の慣れている同じ体の中に自分がいることにまだ気づくことでしょう(→依然として、気がついてみると自分自身はよく知っている同じ体を持っているのです)。物理学の同じ法則がまだ通用するのです。

ですから、脳は身の周りの世界について少し前に正しいと知っていたことは何でも、これから先も正しいままであり続けるだろうと予想します。こうした単純な予想に対して、それから脳は見込のもっと具体的な状態を作ることができます(→次に、脳はもっと具体的で明確な内容を予想することができます)。この段階は(意識的な)注意力を働かせるレベルでの処理が大切になり始める地点です。(意識的な)注意力を働かせるレベルでの処理は遅く始まりすぎるために(→~での処理が始まるのが遅すぎるために)、実際に(何かが)起こったときに身の周りの世界を(私たちが)見回すことはできません。しかし、(意識的な)注意力を働かせるレベルでの処理は何が次に起こりうるのかについてのはっきりとした予想を身につけられるように、何が起こってきているのかに考えを集中させます(→~での処理は何が起こってきているのかに私たちの考えを集中させ、(その結果)何が次に起こりうるのかについてのはっきりとした予想を身につけられるようにしてくれます)。



【 訳者からひと言――この最後の段落はとても難しい内容です。一字一句英語を日本語に直すだけでは何のことか意味不明ですし、代名詞が何を指示しているのかをキチンとつかむのも難しいものです 】



A fast response
速い反応

テニス選手たちが(素早く)反応する方法は次のようなものです。選手たちは予測に基づいて行動します。実験によれば、プロテニス選手は対戦相手の体の動きを見るだけでサーブの方向を推測できます。ボールが飛んで来る最初のコンマ何秒かだけで、ボールがどこに行くのかを予測するのには十分なのです。しかし、もし千分の200秒以下でレシーブする選手から離れたところにあるボールに、予測のできない何かが起こったら、その場合には(選手は)動きを変える時間はまったくありません。選手は間違った予測をもとにしてラケットを振ることしかできなくって、ミスをすることでしょう。プロの選手は試合を読みます。次に何が起きるのかを予想します。私たち普通の人は(=も)、車の運転をする、あるいは歯を痛めないでカップから何かを飲むといった技量に関係のある千分の1秒レベルの動作をうまくやってのけるために同じことを行っています(→同じように予想しています)。遅れを処理することは、脳の進化上の設計にとっては現実の問題です(→進化の上では脳を設計する際に深刻な現実の問題です)。もし君が犬に追いかけられるネコだったり、ネズミを追いかけているネコだったりすれば、その場合には身の周りの世界を瞬時に知りたいと思うことでしょう。脳の作られ方は、瞬時に身の周りの世界を把握できるようなことは決して起こらないだろうということを意味しています(→私たちの脳は瞬時に周囲の状況を把握できるようには作られてはいないということです)。しかし、脳は瞬時に身の周りの世界を把握できるようなことを(進化の歴史の上で)回避しただけではなく、脳は試合の前に学んで(うまく)動けるようになることによって、もっと良い場所に到達してきてさえいるのです(=脳はエモノを目の前にして=試合前に学習することで、未来を予想する能力を身につけることができているのです)。


【 この最後の段落も、まったくもって難しいものです。高校1年の段階でネイティブがわかりやすく脳の働きを解説した英文を読むのは大変なことです。。このレッスンの英文の後半の趣旨は、《 直前の出来事からの類推は短時間で処理できるが、意識をフルに働かせて予測するレベルになると時間がかかって瞬時の判断には間に合わない。この点を補ってくれるのが、学習によって身につけられる予測能力の向上だ。意識的な予測能力のおかげで人類は新たな地点を切り開いてきている 》というものです。

ここで訳者からの質問を一つ――なぜ最後から3つ目の英文が仮定法過去で書かれていないのでしょうか? 不思議に思っています。みなさんがネコちゃんに変身~ンするのはあり得ないことですから、仮定法過去で下記のように記述すべきだと思うのですが、教科書はそのようにはなっていません。ぜひ学校の先生に質問してみてください。 

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