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Lesson 7

What are Stem Cells?
幹細胞って何?

Part 1

stem cell 幹細胞
contain 含む
keep  X ― ing Xを―し続けさせる
run 動く
each day 毎日
beat 繰り返し叩く、鼓動する
kidney 腎臓
replace 取って代わる、取り換える
skin 皮膚
shed off はがれ落ちる
supply 供給する

divide 分かれる、分裂する
reproduce 再生する、繁殖させる
generate 発生させる、生み出す
differentiated 分化した
specific 特定の
such as ~  ~のような
melanin メラニン
pigment 色素

as well as ― ing ―するのと同じように
routinely 日常的に、定期的に
fix 治す、修理する
injured 傷ついた
tissue 組織
get injured 傷つく
get sick 病気になる
army 軍隊
microscopic ミクロの、微小な

come in ~ forms ~のカタチでやって来る
form カタチ
organ 器官
be thought to ― ―すると考えられている
be present from ~ ~から存在する
stage 段階、舞台
development 発達
embryonic 胚の、胎児の

be excited about ~ ~についてワクワク・興奮する
the job of ~ ~の仕事、~という働き
which means that ~ そしてそのことは~ということを意味します
unlike ~ ~とは違って
adult 大人の
potentially 潜在的に
while ~ ~する一方、~するのに対して
bone 骨
and so on など、等
natural 自然の
capacity to ― ―する能力
diseased 病気にかかった


人の体は約210種類の細胞を含んでいます。こうした細胞のおかげで、毎日、体が動き続けています――心臓が脈打ち、脳が考え、腎臓が血液をきれいにし、皮膚がはがれ落ちると皮膚の細胞を取り換えています。幹細胞の働きは、こうしたあらゆる異なる細胞を供給することです。幹細胞が分裂すると、もっとたくさんの幹細胞になったり、あるいは、もっとたくさんの他の種類の細胞になったりします。例えば、皮膚にある幹細胞は皮膚幹細胞を再生できますし、あるいは、メラニン色素を作るといった独自の特別な働きを持っている分化した皮膚細胞を作りだします。

細胞が定期的に死を迎えたときに、他の細胞に取って代わるのと同じように、幹細胞はケガをしたり、病気になったりしたときに、死んだ細胞を取り換えることで傷ついた組織を治してくれます。幹細胞は、ミクロの世界で体を守ってくれる、私たちのお抱え医師軍団のようなものです。

幹細胞はたくさんの別々のカタチで現れます。体のどの器官でも、独自のタイプの幹細胞を持っていると考えられています。例えば、血液は血液幹細胞から作られています。しかしまた、幹細胞は人の発達の一番早い段階から存在しています。科学者がこうしたものを育てると、この幹細胞は「胚性幹細胞」、すなわち、ES細胞と呼ばれます。

科学者がES細胞についてワクワクする理由は、ES細胞の働きが、人が成長する間に体のあらゆる器官・組織を作ることにあるからです。このことは、ES細胞は大人の幹細胞とは異なり、人の細胞のほとんどどんな種類の細胞でも作る可能性があるということを意味します。血液幹細胞が血液しか作れないのに対して、ES細胞は血液も、骨も、皮膚も、脳も、その他のものも作れます。このことはES細胞は病気になっている器官を治す(他の幹細胞)より素晴らしい自然の能力を持っているということになります。


Part 2

inner 内部の
mass カタマリ
embryo 胎児、胚、胎芽
(胎生動物の受精卵が卵割して親と同じ形態になるまでの個体。ヒトでは受精後8週の終わりまで)
isolate 孤立させる、分離する
imply 示唆する、言外に意味する
above 上に述べた
as implied above 先に述べたことが示唆しているように、上に述べたように
offer 提供する、与える
potential 潜在的な
route 道、コース
therapy 治療
introduce A into B AをBに入れる・導入する
appropriate 適切な
functional 機能的な、作動可能な
state 状態
muscle 筋肉
failing うまく機能していない
neuron 神経細胞
affect 影響する
stroke 脳卒中、発作

despite ~  ~にもかかわらず
attractive 魅力的な
potentiality 潜在的に
practical 実用的な
application 応用
provoke 引き起こす、招く
controversy 議論、論争

come from ~ ~からやって来る、~に由来する
the production of ~ ~の生産、~を作り出すこと

in vitro   試験管内で・の
fertilization 受精
cause ~ to ―  ~が―することを引き起こす、~が―する原因になる
several of ~ 数個の~
oocyte 卵母細胞
mature 成熟する、十分に成長する
simultaneously 同時に
instead of ~ ~の代わりに
normal 通常の
one per month 1か月につき1つの

so ~  そんなわけで・だから~
as many as ~ ~もたくさんの、~くらいたくさんの
harvest 摘出する、収穫する
cycle 周期
fertilize 受精させる
allow ~ to ― ~が―するのを許す
develop 発達する
for a few days 数日間
preimplantation 着床前の

as a result 結果として
clinic 診療所、クリニック
large numbers of ~ たくさんの~
unused 使われていない、未使用の
freeze-froze-frozen 凍る、凍らせる
liquid 液体
nitrogen 窒素
at some stage ある段階で
(「 some + 単数名詞 = ある~ / some + 複数名詞 = いくつかの~ 」と考えて日本語に直しましょう)
surplus 余分な、余っている
dispose of ~ ~を処分する

option 選択肢
simply 単純に
discard 捨てる
donate 寄付する、提供する
for research purposes 研究目的のために
including ~  ~を含む
the establishment of ~ ~の確立、~を確立すること
culture 培養、栽培
be happy to ― 喜んで―する、―してうれしい
do so そうすること
(本文では、研究のために体外受精卵を提供すること)

the opponents of ~ ~の反対者たち、~に反対する人たち
consider that ~ ~ということをジックリ考える
full 十分な、完全な
human rights 人権
tantamount 同等の、等しい
be tantamount to ~ ~に等しい・と同等である
murder 殺人


ヒトES細胞、すなわち、人の胎児の内部にある細胞のカタマリから育てられた細胞は、1998年、ウィスコンシン大学のジェームズ・トムソン博士によって最初に分離されました。先に述べたことが示唆しているように、ヒトES細胞は、細胞治療に必要とされる種類の細胞を作ることに可能性のある手段を提供しています。このことは死んでいる細胞を取り換えるために新しい細胞を作り、機能できる状態にある体の適切な部位に新しい細胞を注入できることを意味します。例えば、機能不全の心臓に心筋細胞を移植できますし、あるいは、脳卒中によってダメージを受けた脳の一部に神経細胞を移植できます。

実用的な応用に魅力的な可能性があるにもかかわらず、ヒトES細胞はたった1つの理由のために大きな議論を引き起こしてきています。それはヒトES細胞が人の胎児から作られるからです。胎児はヒトES細胞を作るために、どこからやって来るのでしょうか? ヒトES細胞は体外受精クリニックから送られてきます。通常の状態では1か月に1個の卵母細胞の代わりに、(体外受精クリニックでは)普通は、母親は複数の卵母細胞が同時に成長することを引き起こすホルモン治療を受けます。ですから、10個ないし12個もの卵母細胞が1つの周期に得られ、受精し、着床前胎芽として数日間成長することが許されるかもしれません。結果として、すべての体外受精クリニックは、液体窒素の中に凍結された、たくさんの使用されていない着床前胎芽を持つことになります。ある段階で、余っている着床前胎芽は処分されなければいけません。1つの選択肢は、ただ単に捨てることです(→ただ単に捨てるという選択肢もあります)。もう1つの選択肢は、新たなES細胞の培養法の確立を含む研究目的に余っている着床前胎芽を提供することです。(この目的に同意して、)喜んで提供する親もたくさんいます。

ヒトES細胞研究に反対する人は、人の着床前胎芽は完全な人権を持つべきであり、着床前胎芽をES細胞を作るために使うことは殺人に等しいと考えています。


Part 3

breakthrough 大発見、飛躍的な進展、突破口、大躍進
make a breakthrough 画期的な発見をする
identify 特定する、つきとめる
a set of ~  1組の~
gene 遺伝子
reprogram プログラムを書き換える、再プログラムする
assume 帯びる、仮定する、引き受ける
oncogene 発がん遺伝子、ガン遺伝子
cancer ガン
activate 活性化する、動かす
inappropriately 不適切に
genetic engineering 遺伝子工学
induce 誘発する
pluripotent 多能性の、分化可能の

property 特性
be similar to ~  ~に似ている
possibility 可能性
grow into ~  ~に育つ
any 単数名詞  どんな~でも
thus したがって、このように
be believed to ― ―すると信じられている
hold 保つ
regenerative 再生の
medicine 医学、医療

technology 科学技術、技術
practical 実用的な
attribute 特性、特質
share 共有する
the ability to ― ―する能力
establish 確立する
culture 培養
specific 特定の
patient 患者

so that 主語
could ― 主語が―できるように
give A back to B AをBに戻す
individual 個人
without ― ing ―しないで
risk 危険を冒す
immune 免疫
rejection 拒絶
major 主な、主要な
confront 直面する
therapy 治療

greet 迎える、あいさつする
enthusiastically 熱烈に、熱狂的に
opponents of ~ ~の反対者たち、~に反対する人たち
regard A as B  AをBと見なす
be free from ~  ~から自由である、~がない、~を免れた
ethical 倫理的な
be devoid of ~ ~がまったくない
issue 問題
bank 銀行
numerous ものすごく数の多い
living 生きている
donor 提供者

retain 保持する
in relation to ~ ~に関して、~と比較して
be put to ~ ~に付される
commercial 商業的な
income 収入
accrue from ~ ~から獲得される
protect A against B Bに対してAを守る
discovery of ~ ~の発見、~の曝露、~を見つけること、~が発覚すること
adverse 逆の、不利な
mutation 突然変異
DNA DNA、デオキシリボ核酸
affect 影響を与える
prospect 可能性、見込み、将来性

moreover さらに
theoretically 理論的に
inject A into B AをBに注入する
blastocyst 胚盤胞
generate 発生させる
chimera キメラ
(2つ以上の異なる遺伝子を持つ組織からできた生物体)
route 道、手段
reproductive 再生の
cloning クローン化、クローン生物作成
certainly 確かに
thinking 判断、考えること


2006年、京都大学の山中伸弥博士は、4つの遺伝子の組を特定することで画期的な発見をしました。Oct4、Sox2、Klf4、それにc-Mycの4つです。この4種類の遺伝子は、普通の細胞が幹細胞のような状態を帯びるように「再プログラム」します。Klf4とc-Mycは、ガン遺伝子、すなわち、もし不適切に活性化されればガンを発症しかねない遺伝子としてすでに知られていました。この遺伝子工学によって作られる新しいタイプの幹細胞は、「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)と名付けられました。

iPS細胞の特性はES細胞にとてもよく似ています。iPS細胞は体の組織のどんなタイプにでも成長できる可能性を持っていますし、したがって、再生医療への大きな可能性を持っていると信じられています。

この技術はES細胞が持っていない大切な実用的な特性を持っています。それは、ある特定の患者さんから取り出した新しい細胞の培養法を確立する能力です。細胞治療に立ちはだかっている主な問題点である免疫拒絶(→免疫系からの拒絶)という危険を冒さないで、iPS細胞を取り出した元の患者さんに戻すことが目的です。

この新しい技術はヒトES細胞研究に反対する人たちから熱烈に迎えられていますし、倫理的な問題には抵触しないと普通は考えられています。しかし、iPS細胞にも倫理的な問題がまったくないわけではありません。iPS細胞銀行(なるもの)が数多くの生きている提供者の参加を得て、作られるのをすぐに目の当たりにすることになるかもしれません。そうした提供者は細胞の利用方法に関して、あるいは、利用から得られる商業的な収入に関して何らかの権利を保持すべきなのでしょうか? 提供者は人生の将来性に影響を与えるかもしれないDNAにおける不都合な突然変異が発覚することに対して保護されるのでしょうか? さらに、ヒトiPS細胞は、キメラを作るために胚盤胞に、理論的には注入されうるのです。これはクローンを作る手段になる可能性があります。こうした疑問や、その他のたくさんの疑問は確かに、難しい判断を必要としています。


Part 4

pleasant 楽しい、うれしい
get old 年を取る
die 死ぬ
spend 時間 ― ing  時間を―に費やす
try to ―  ―しようとする
try not to ― ―しないようにする
in this regard この点で
religion 宗教
create 作り出す
belief 信念
survival of ~ ~の生き残り、~が生き残ること
mind 精神、心、頭脳
decay 朽ち果てる

tend to ―  ―する傾向がある
be keen to ―  ―することを熱望している
avoid 避ける
disability 障害、動けなくなり通常の生活が送れなくなること
horror 恐怖、恐れ
serious 深刻な
injury ケガ、障害
the loss of ~  ~の喪失、~を失うこと
independence 独立、自立
disease 病気
accompany 伴う
stroke 脳卒中
hear failure 心不全

This is the case. これは事実・真実です。このことがあてはまります。
especially 特に
close friend 親しい友人
family member 家族の一員・構成員
suffer from ~ ~に苦しむ
condition 状態
yearn for ~ ~を切望する
miracle 奇跡
cure 治療
suffering 苦しみ、苦痛
restore 回復させる
the way we knew them 私たちがその人だと知っているような様子

yearning 切望、あこがれ
all the greater いっそう・ますます大きく
because of ~ ~のせいで
the success of ~ ~の成功、~がうまく行くこと
public health 公衆衛生
prevent 防ぐ、予防する
cure 治す、治療する
range 範囲
affliction 苦痛、病気
all the more tragic いっそう・ますます悲劇的な
occur 起きる

value 高く評価する
generate 作り出す
effective 効果的な
currently 現在では、現時点では
incurable 治療できない
admittedly 明らかに
challenge 難題、難しいけれどもやりがいのある課題・挑戦
remain to be ~ ~のまま残っている
address 取り組む
become common 一般的になる、ありふれたものになる

ethical 倫理的な
technical 技術的な
safety 安全
potentially 潜在的に
tumor 腫瘍
in the long run 長い目で見ると、結局は
the sky is the limit 空が限度です→限界はない
biomedical 生物医学の
huge 巨大な、莫大な
advance 前進、進歩
understanding 理解
manipulate 操作する
eventually 結局は
lead to ~  ~につながる、~を導く
innovation 革新


みんな年を取り、死んでいくというのは楽しい事実ではありません。私たちは、この事実を考えないようにして人生の大半を過ごします。この点で役立つように、宗教は肉体が朽ち果てた後に、精神が生き残ることについての信仰を作ってきています。

しかし、死について考えないようにする傾向がある反面、私たちみんなが動けなくなり通常の生活が送れない状態を避けようと熱望しています。深刻な障害をもたらしかねない事故を恐れ、アルツハイマー病、脳卒中、心不全、ガンといった加齢に伴う病気のうちの多くによって引き起こされる自立を失うことを恐れています。

こうした状態のうちの一つを患っている親友や家族がいる場合に、これは特にあてはまります。苦しみを終わらせてくれるある種の奇跡の治療法を切望し、(苦しんでいて、以前とはすっかり変わってしまっている)その人物を以前のように回復させてくれる、ある種の奇跡の治療法を切望しています。

他の病気を幅広い範囲で予防する段階で公衆衛生がうまく行って、しかも、他の病気を幅広い範囲で治療する段階での科学的な医療がうまく行っているおかげで、(奇跡の治療法への)私たちの願いは、ますます大きくなっています。このせいで、依然として起こっている深刻な病気の場合が、さらにいっそう悲劇的なものになっています。

ほとんどの人は、幹細胞研究を高く評価しています。幹細胞研究は、現段階では治療できない病状に対する新たな、効果的な治療法を作ってくれるだろうと、ほとんどの人が信じているからです。幹細胞治療が(今より)もっと一般的なものになる前に、明らかに、取り組むべき多くの課題が残っています。これまで見てきたように、倫理的な問題もあります。幹細胞は潜在的に腫瘍を形成する可能性があるといったような安全性を含む技術的な問題もあります。しかし、長い目で見ると、限界はありません。細胞と遺伝子を理解することと、操作する能力でのものすごい発展のおかげで、最終的にはいくつかの主要な革新がもたらされるに違いないと、ほとんどの生物医学の科学者は感じています。


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