Genius 2 Lesson 8 単語の意味&本文和訳 保存倉庫
Lesson 8
Emotions Gone Wild
感情は野生に走る
Part 1
emotion 感情、情動
go wild 熱狂する、興奮する
recent 最近の
open a person’s eye to ~ ~に対して人の目を開かせる、人に~を悟らせる
note that ~ ~ということに気づく、注目する
learn 知る、学ぶ
cripple うまく動けなくする、びっこを引かせる
travel 移動する、旅をする
the rest of ~ ~の残り、残りの~
herd 群れ
expert 専門家
matriarch 女性指導者、メスのリーダー
feed‐fed‐fed エサを与える
occasion 場合
on occasion ときには、ときどき、時折
act 行動する、振る舞う
this way このように
practical 実際的な、実際の
gain 得るもの、利益
draw a conclusion 結論を導き出す
care for ~ ~の世話をする
adjust 合わせる、順応する、調節する
behavior 行動、振る舞い
remain with ~ ~に留まる
friend 仲間、後援者
isolate 孤立する
crash 衝突する、すさまじい音を立てる
crash through ~ ~を突き破る、~にぶつかる
look for ~ ~を探す
fall‐fell‐fallen 落ちる
ditch 溝
drown 溺れて死ぬ
resident 住民
bury 埋める
female メスの
be forced to ― ―することを強制される・余儀なくされる
flee‐fled‐fled 逃げる
search 探す
rampage 荒々しく突進する、暴れまわる
最近、行ったケニアとタンザニア旅行のおかげで、私は象の世界に目を向け始めました。野生の象の群れが、ケニア北部のサンブル国立保護区で暮らしているのを見ていると、群れの1頭ベーブルがとてもゆっくり歩いているのに気がつきました。ベーブルはびっこを引いていて、群れの他の象ほど速くは移動できないとわかりました。しかし、群れの象たちがベーブルを待っているのを目撃しました。このことを象の専門家のガイド、イアン・ダグラス=ハミルトンに尋ねると、この象の群れはいつもベーブルを待っていて、何年もの間、そうしてきているとのことでした。群れのメスのリーダー(訳者注:象は母系制社会を形成しますから、(オス同士で群れをなす場合を除き)群れのリーダーはメスです)が、時にはベーブルにエサをあげることさえあるんですよと、ダグラス=ハミルトンは言いました。
なぜ群れの他の象が、このように振る舞ったのでしょうか? ベーブルを助けるのには何も理由はない、実際上の利益は何もないように思われました。私たちが考えた唯一の結論は、他の象はベーブルの世話をして、群れの行動を(ベーブルに)合わせ、ベーブルが群れにとどまるのを許しているというものでした。
ベーブルの仲間たちは、孤立している例ではありません(→ベーブルの群れと同じような行動をとった例は他にもあります)。2006年10月、インド東部で、溝に落ちて溺れ死んでしまった群れの1頭を探して、14頭の象の群れが小さな村に突進してきました。 村人は溺れ死んだ17歳のメス象を既に埋めていましたが、しかしそれでも、他の象が3日間以上、村中を探しまわり、暴れまわったために、何千人もの村人は家から逃げざるを得ませんでした。
このような例は動物が本当に「感情」を持っていることを示しているのでしょうか?
Part 2
in the first place 最初に
define 定義する
systematically 組織的に、体系的に
recognize 認める、確認する、理解する
universal 普遍的な
anger 怒り
happiness 幸せ
sadness 悲しみ
disgust 嫌悪
fear 恐れ
surprise 驚き
maintain that ~ ~と主張する
core 核となる、中心的な
deal with ~ ~を処理する
rapidly 素早く
a wide variety of ~ たくさんの種類の~
circumstance 環境
get along 暮らしていく、どうにかやっていく
complex 複雑な
social 社会的な
since 以来ずっと
add A to B BにAを付け加える
jealousy 嫉妬
contempt 軽蔑、侮辱
sympathy 共感、同情
guilt 罪悪感
among others 中でも特に
if any もしあるとすれば
experience 感じる、経験する
ethologist 動物行動学者
state 述べる
confident 自信のある
vice versa 逆もまた同じ(ように)
in common 共通に、共通した
at the same time 同時に
share A with B BとAを共有する
nonhuman 人間ではないもの、人類以外
alike 同様に、等しく
A and B alike AもBも同じように・等しく
reunite 再会する、仲直りする、再結合する
a loved one 愛するもの
close friend 親友
wolf‐wolves オオカミ
wag 振る
tail シッポ
loosely だらしなく、ぐらぐらに、緩く
to and fro あちこち、前後に、左右に
in a circle 丸く
whine 物悲しく鳴く、長く高く(不平を言うように)鳴く
display 示す、表す
likewise 同じように
what A but B Bを除いてどのようなAが・を……
grief 悲しみ
remove A from B BからAを取り除く
social group 社会集団、社会的グループ
sulk 不機嫌になる、すねる
surely 確かに
despite ~ ~にもかかわらず
species 種
similar 似ている
まず最初に、「感情とは何か?」という問いに答えるのはとても難しいものです。私たちのほとんどは感情に出会うと感情だとわかりますが、感情を定義するとなると難しいことに気づきます。動物の感情を体系的に研究した最初の科学者チャールズ・ダーウィンは、怒り、幸せ、悲しみ、嫌悪、恐れ、驚きという6つの普遍的な感情を認めていました。こうした中心になる感情のおかげで私たちはとても多様な環境に素早く対処できるし、複雑な社会でなんとかやって行けると、ダーウィンは主張しました。それ以来、他の研究者たちは、ダーウィンのリスト(にある6つの核になる感情)に、特に嫉妬、軽蔑、共感、罪悪感のような感情を加えてきています。
もしあるとすれば、こうした感情のうちのどれを動物は感じるのでしょうか? そして、動物は人間が持っていない感情を感じるのでしょうか? これはとても面白い質問です。長年にわたって象を研究している動物行動学者ジョイス・プールはこう述べています。「象が私たちが感じない感情を感じていて、その逆もあるということには自信があリますが、その一方で、また、人間も象も共通してたくさんの感情を感じると信じています」
もし、プールが正しいとすれば、それでは、動物が感じる中で人間には到底、理解できない感情もいくつかあるかも知れないのです。それと同時に、人間が理解でき、動物と共有できる動物の感情もあることでしょう。人間でも人間ではなくても同じように、動物は、遊んでいるときや愛するものと再会するときは、幸せなのではないでしょうか? 親しい友を失った後には、動物は悲しくならないのでしょうか? オオカミが(仲間と)再会し、輪になってシッポをゆっくりと左右に振りながら、長く高い声で鳴いたり、飛び回ったりするときには、オオカミは幸福感を表現しているのではないでしょうか? 同じように、動物が自分の属する社会集団から立ち去ったり、友達の死後ふさぎ込んだり、食べなくなったり、死んでしまったりもするとき、動物たちが示す感情に悲しみ以外のどのような名前を付けることができるのでしょうか? 確かに、違いはあるでしょうが、にもかかわらず、すべての生き物は、感情のよく似た核になる部分を共有しているに違いありません。
Part 3
recognize 確認する、見分ける、理解する
a type of ~ ~の種類・タイプ
primary 第1位の、主~
secondary 第2位の、副~
primary emotions 1次的感情
basic 基本の、基礎になる
inborn 生まれつきの
include 含む
rapid 素早い
reflex 反射行動・作用・神経、反射
automatic 自動的な
hard‐wired 本来備わっている、固有の、遺伝子に組み込まれている
fight 戦い、闘争する
flight 飛ぶこと、逃走、逃亡
response 反応
fight‐or‐flight response 闘争・逃走反応
(動物が恐怖に反応し、交感神経の神経インパルスを発し、自分に闘うのか逃げるのかの選択を迫るという反応)
stimulus‐stimuli 刺激
represent 表現する、象徴する
danger 危険
require 要求する、必要とする
conscious 意識的な
perform 行う、実行する
avoid 避ける
object 対象、目的
unconsciously 無意識に
generate 引き起こす、発生させる
reaction 反応
loud (音・声が)大きい、うるさい
raucous 騒々しい、耳障りな
certain ある特定の
odor 臭い
overhead 頭上の・で
signal 信号
avoidance 避けること、回避
there is no room for ~ ~の余地はまったくない
error ミス、間違い、エラー
be confronted with ~ ~に直面する、~に立ち向かう
natural selection 自然淘汰
result in ~ ~という結果になる
innate 生まれながらの
crucial 重大な
individual survive 個の生存
secondary emotions 2次的感情
complex 複雑な
involve 関わる、関係する
cerebral cortex 大脳皮質
nuance 微妙な差異をつける、ニュアンスをつける
regret 後悔
longing 熱望、強い願望
jealousy 嫉妬
process 処理する
the individual 個人
situation 状況
alter 変える
assessment 評価
bring forth ~ ~を産みだす、~を生じる
duck ひょいと頭を下げる
unseen 見えない
shadow 影
refrain from ~ ~を避ける・やめる
instead 代わりに
twinge 苦痛、心痛
embarrassment 困惑、気恥かしさ
straighten まっすぐにする
straighten up 背筋を伸ばす、体を起こす
pretend 振りをする
研究者たちは普通、1次と2次の2つの異なる感情のタイプを認めています。1次的感情は、基本的で生まれながらの感情だと考えられています。危険を表す刺激に対する、急激な反射に似た(「自動的な」、すなわち本来備わっている)恐れや闘争・逃走反応を、1次的感情は含みます。1次的感情は意識的な考えを必要とはしません。そして、ダーウィンの6つの普遍的感情を含んでいます。反応を引き起こしているモノを認識すらしていないうちに、ほとんど無意識に、モノを避けるような1次的恐怖反応を、動物は示すことができます。大きくうるさい鳴き声、ある種のニオイ、頭上を飛んでいるもの――こうしたものや他のそのような刺激は、自動的回避反応を引き起こす「危険」の信号になることが結構あります。動物が危険な刺激に立ち向かうときには、ほとんどまったくミスの(起こる)余地はありません。ですから、自然淘汰は個の生存にとりきわめて重大な生来の反応(=自動的回避反応)の原因になりました(→自然淘汰によって個の生存にとってとても大切な生まれながらの反応を引き起こすことになりました)。
2次的感情はもっと複雑な感情です。2次的感情は大脳皮質にある高度な脳の中枢に関係しています。2次的感情は恐れや怒りの中心となる感情に関係している可能性もありますし、あるいは後悔、熱望、嫉妬のようなものに関するもっと微妙な差異をつけるものである可能性もあります。2次的感情は自動的ではありません。2次的感情は脳で処理されます。1人ひとりが2次的感情について考えたり、2次的感情について何をすればいいのかじっくりと考えたり、すなわち、ある特定の状況でどのような行動をとるのが一番いいのかをじっくりと考えたりします。意識的な思考と2次的感情は、1次的感情を生じさせた状況に対する最初の評価を変えることができます。すなわち、目に見えないものが頭上を飛んでいるときに、頭をヒョイと下げるかもしれません。しかし、それが影にすぎないとわかると、走(って逃げ)るのをやめ、その代わりに、当惑の苦痛を感じ(→驚いたことを気恥ずかしく思って)、すぐに背筋を伸ばして、何事もなかったような振りをします。
Part 4
empathy 共感、感情移入
compassion 同情、あわれみ
identify 存在をつき止める、発見する
demonstrate 示す、証明する
selfless 無私の、無私無欲の
grizzly ハイイログマ、グリズリー
cub 動物の子供、若造
stick‐stuck‐stuck くっつく、突き刺す
stick together かばい合う、くっつく
orphan 孤児にする、孤児
shoot‐shot‐shot 撃つ、銃殺する
wound 傷つける
sibling 兄弟姉妹
limp 足を引きずる
observer 観察者、見る人
come out 出て来る
pull ~ back ~を引き戻す
obviously 明らかに
troop 群れ、軍隊
halt 中止、休止、止まる、休止させる
bring ~ to a halt ~を止める
traffic 交通
encircle 取り巻く、丸く囲む
injured 傷ついている
infant 幼児
hind 後ろの
crush 押しつぶす、押し砕く
lie‐lay‐lain 横たわる
( being ) unable to ― ―できなくて
block 妨げる、ふさぐ、遮る
local 地元の
shopkeeper 店主
emotional 感情の、感動的な
massage マッサージ
finally ついに、最後に
leave the scene 現場を去る
more examples もっと多くの例
( many examples の比較級です)
many more examples ずっともっと多くの例
( many- more‐most の比較級の more を強めるときには much ではなく many を使って many more ~s と言います)
even if ~ たとえ~でも
exactly まさに、正確に、厳密には
not exactly ~ 必ずしも・厳密には~ではない
(部分否定です)
not A or B AもBもどちらも~ない
for that matter もっとはっきりと言うと、その点に関しては
across species 種を越えて
be restricted to ~ ~に限られる・限定される
instinctual 本能的な
entail 含む、引き起こす、必然的に伴う
a good deal of ~ たくさんの~
conscious thought 意識的な考え
lack 不足する、欠けている
perhaps ひょっとして~かもしれない
effective 効果的な
means 手段
cross‐species 異種間の、種を越えた
communication コミュニケーション
that’s why ~ だから~
enduring 永続的な、辛抱強い
bond つながり、結びつき、絆
being 存在
glue ノリ、接着剤
bind 結ぶ、縛る、束ねる
catalyze 促進させる、触媒作用をする
regulate 規定する
interaction 相互作用
共感や同情は、動物に存在が認められている大切な2次的感情です。というのは共感は他者への無私の世話を証明するからです(→自分を顧みないで他の存在の世話をすることを示すからです)。私がアラスカ州ホーマーにいたときに、2頭の子供のグリズリーについての話を読みました。お母さんグリズリーがロシア川の近くで撃ち殺され、孤児になった後は、2頭で寄り添って暮らしたのです。弟熊はびっこで、泳ぐのがとても遅く、食べ物をとるのに手助けが必要でしたが、お姉さん熊は、傷ついた弟熊のそばを離れないでいました。観察していた人は「メスが出てきて、魚を捕まえて、その魚を持って帰り、それからもう1頭に食べさせてあげた」と書き記しました。お姉さん熊は、明らかに弟の世話をしたのです。
インドのテズプルに住む約100頭のアカゲザルの群れについての話もあります。赤ちゃん猿が車にひかれた後、車の流れを止めたのです。後ろの両足が(車にひかれて)押しつぶされ、動けなくて道路に横になっていた怪我をした赤ん坊を、猿たちが取り囲み、すべての交通を遮断しました。地元の売店の人は「とても感動的でした。……猿のうちの何頭かは赤ちゃんの足をマッサージしました。最後には、自分たちで傷ついた赤ちゃん猿を運んで、その場を去って行きました」と語りました。
ずっともっと多くのこのような例があります(→このような例はもっともっとたくさんあります)。ですから、たとえ、動物の感情が、私たち(人間)の感情とまったく同じではないにしても、あるいはさらに言うと、種全体にわたって同じではないとしても(→もっとはっきり言うと、すべての種に共通する感情がないとしても)、このことは動物は感じないということにはなりません。動物の感情は「本能的反応」に限定されているのではなく、たくさんの意識的な思考だと思えるようなものを含んでいます。共通の言葉を持っていなくても、ひょっとすると感情は種を越えたコミュニケーションの一番効果的な手段なのかもしれないということがわかっています。私たち人間は感情を共有できますし、感情に関する言葉を理解できます。だから(こそ)私たちは、他の多くの人と深く長続きする社会的な結びつきを形作るのです。感情は(自己と他者を)結びつける接着剤です。感情は、動物であっても、人間であっても社会的な相互作用を促し、規定します。
Emotions Gone Wild
感情は野生に走る
Part 1
emotion 感情、情動
go wild 熱狂する、興奮する
recent 最近の
open a person’s eye to ~ ~に対して人の目を開かせる、人に~を悟らせる
note that ~ ~ということに気づく、注目する
learn 知る、学ぶ
cripple うまく動けなくする、びっこを引かせる
travel 移動する、旅をする
the rest of ~ ~の残り、残りの~
herd 群れ
expert 専門家
matriarch 女性指導者、メスのリーダー
feed‐fed‐fed エサを与える
occasion 場合
on occasion ときには、ときどき、時折
act 行動する、振る舞う
this way このように
practical 実際的な、実際の
gain 得るもの、利益
draw a conclusion 結論を導き出す
care for ~ ~の世話をする
adjust 合わせる、順応する、調節する
behavior 行動、振る舞い
remain with ~ ~に留まる
friend 仲間、後援者
isolate 孤立する
crash 衝突する、すさまじい音を立てる
crash through ~ ~を突き破る、~にぶつかる
look for ~ ~を探す
fall‐fell‐fallen 落ちる
ditch 溝
drown 溺れて死ぬ
resident 住民
bury 埋める
female メスの
be forced to ― ―することを強制される・余儀なくされる
flee‐fled‐fled 逃げる
search 探す
rampage 荒々しく突進する、暴れまわる
最近、行ったケニアとタンザニア旅行のおかげで、私は象の世界に目を向け始めました。野生の象の群れが、ケニア北部のサンブル国立保護区で暮らしているのを見ていると、群れの1頭ベーブルがとてもゆっくり歩いているのに気がつきました。ベーブルはびっこを引いていて、群れの他の象ほど速くは移動できないとわかりました。しかし、群れの象たちがベーブルを待っているのを目撃しました。このことを象の専門家のガイド、イアン・ダグラス=ハミルトンに尋ねると、この象の群れはいつもベーブルを待っていて、何年もの間、そうしてきているとのことでした。群れのメスのリーダー(訳者注:象は母系制社会を形成しますから、(オス同士で群れをなす場合を除き)群れのリーダーはメスです)が、時にはベーブルにエサをあげることさえあるんですよと、ダグラス=ハミルトンは言いました。
なぜ群れの他の象が、このように振る舞ったのでしょうか? ベーブルを助けるのには何も理由はない、実際上の利益は何もないように思われました。私たちが考えた唯一の結論は、他の象はベーブルの世話をして、群れの行動を(ベーブルに)合わせ、ベーブルが群れにとどまるのを許しているというものでした。
ベーブルの仲間たちは、孤立している例ではありません(→ベーブルの群れと同じような行動をとった例は他にもあります)。2006年10月、インド東部で、溝に落ちて溺れ死んでしまった群れの1頭を探して、14頭の象の群れが小さな村に突進してきました。 村人は溺れ死んだ17歳のメス象を既に埋めていましたが、しかしそれでも、他の象が3日間以上、村中を探しまわり、暴れまわったために、何千人もの村人は家から逃げざるを得ませんでした。
このような例は動物が本当に「感情」を持っていることを示しているのでしょうか?
Part 2
in the first place 最初に
define 定義する
systematically 組織的に、体系的に
recognize 認める、確認する、理解する
universal 普遍的な
anger 怒り
happiness 幸せ
sadness 悲しみ
disgust 嫌悪
fear 恐れ
surprise 驚き
maintain that ~ ~と主張する
core 核となる、中心的な
deal with ~ ~を処理する
rapidly 素早く
a wide variety of ~ たくさんの種類の~
circumstance 環境
get along 暮らしていく、どうにかやっていく
complex 複雑な
social 社会的な
since 以来ずっと
add A to B BにAを付け加える
jealousy 嫉妬
contempt 軽蔑、侮辱
sympathy 共感、同情
guilt 罪悪感
among others 中でも特に
if any もしあるとすれば
experience 感じる、経験する
ethologist 動物行動学者
state 述べる
confident 自信のある
vice versa 逆もまた同じ(ように)
in common 共通に、共通した
at the same time 同時に
share A with B BとAを共有する
nonhuman 人間ではないもの、人類以外
alike 同様に、等しく
A and B alike AもBも同じように・等しく
reunite 再会する、仲直りする、再結合する
a loved one 愛するもの
close friend 親友
wolf‐wolves オオカミ
wag 振る
tail シッポ
loosely だらしなく、ぐらぐらに、緩く
to and fro あちこち、前後に、左右に
in a circle 丸く
whine 物悲しく鳴く、長く高く(不平を言うように)鳴く
display 示す、表す
likewise 同じように
what A but B Bを除いてどのようなAが・を……
grief 悲しみ
remove A from B BからAを取り除く
social group 社会集団、社会的グループ
sulk 不機嫌になる、すねる
surely 確かに
despite ~ ~にもかかわらず
species 種
similar 似ている
まず最初に、「感情とは何か?」という問いに答えるのはとても難しいものです。私たちのほとんどは感情に出会うと感情だとわかりますが、感情を定義するとなると難しいことに気づきます。動物の感情を体系的に研究した最初の科学者チャールズ・ダーウィンは、怒り、幸せ、悲しみ、嫌悪、恐れ、驚きという6つの普遍的な感情を認めていました。こうした中心になる感情のおかげで私たちはとても多様な環境に素早く対処できるし、複雑な社会でなんとかやって行けると、ダーウィンは主張しました。それ以来、他の研究者たちは、ダーウィンのリスト(にある6つの核になる感情)に、特に嫉妬、軽蔑、共感、罪悪感のような感情を加えてきています。
もしあるとすれば、こうした感情のうちのどれを動物は感じるのでしょうか? そして、動物は人間が持っていない感情を感じるのでしょうか? これはとても面白い質問です。長年にわたって象を研究している動物行動学者ジョイス・プールはこう述べています。「象が私たちが感じない感情を感じていて、その逆もあるということには自信があリますが、その一方で、また、人間も象も共通してたくさんの感情を感じると信じています」
もし、プールが正しいとすれば、それでは、動物が感じる中で人間には到底、理解できない感情もいくつかあるかも知れないのです。それと同時に、人間が理解でき、動物と共有できる動物の感情もあることでしょう。人間でも人間ではなくても同じように、動物は、遊んでいるときや愛するものと再会するときは、幸せなのではないでしょうか? 親しい友を失った後には、動物は悲しくならないのでしょうか? オオカミが(仲間と)再会し、輪になってシッポをゆっくりと左右に振りながら、長く高い声で鳴いたり、飛び回ったりするときには、オオカミは幸福感を表現しているのではないでしょうか? 同じように、動物が自分の属する社会集団から立ち去ったり、友達の死後ふさぎ込んだり、食べなくなったり、死んでしまったりもするとき、動物たちが示す感情に悲しみ以外のどのような名前を付けることができるのでしょうか? 確かに、違いはあるでしょうが、にもかかわらず、すべての生き物は、感情のよく似た核になる部分を共有しているに違いありません。
Part 3
recognize 確認する、見分ける、理解する
a type of ~ ~の種類・タイプ
primary 第1位の、主~
secondary 第2位の、副~
primary emotions 1次的感情
basic 基本の、基礎になる
inborn 生まれつきの
include 含む
rapid 素早い
reflex 反射行動・作用・神経、反射
automatic 自動的な
hard‐wired 本来備わっている、固有の、遺伝子に組み込まれている
fight 戦い、闘争する
flight 飛ぶこと、逃走、逃亡
response 反応
fight‐or‐flight response 闘争・逃走反応
(動物が恐怖に反応し、交感神経の神経インパルスを発し、自分に闘うのか逃げるのかの選択を迫るという反応)
stimulus‐stimuli 刺激
represent 表現する、象徴する
danger 危険
require 要求する、必要とする
conscious 意識的な
perform 行う、実行する
avoid 避ける
object 対象、目的
unconsciously 無意識に
generate 引き起こす、発生させる
reaction 反応
loud (音・声が)大きい、うるさい
raucous 騒々しい、耳障りな
certain ある特定の
odor 臭い
overhead 頭上の・で
signal 信号
avoidance 避けること、回避
there is no room for ~ ~の余地はまったくない
error ミス、間違い、エラー
be confronted with ~ ~に直面する、~に立ち向かう
natural selection 自然淘汰
result in ~ ~という結果になる
innate 生まれながらの
crucial 重大な
individual survive 個の生存
secondary emotions 2次的感情
complex 複雑な
involve 関わる、関係する
cerebral cortex 大脳皮質
nuance 微妙な差異をつける、ニュアンスをつける
regret 後悔
longing 熱望、強い願望
jealousy 嫉妬
process 処理する
the individual 個人
situation 状況
alter 変える
assessment 評価
bring forth ~ ~を産みだす、~を生じる
duck ひょいと頭を下げる
unseen 見えない
shadow 影
refrain from ~ ~を避ける・やめる
instead 代わりに
twinge 苦痛、心痛
embarrassment 困惑、気恥かしさ
straighten まっすぐにする
straighten up 背筋を伸ばす、体を起こす
pretend 振りをする
研究者たちは普通、1次と2次の2つの異なる感情のタイプを認めています。1次的感情は、基本的で生まれながらの感情だと考えられています。危険を表す刺激に対する、急激な反射に似た(「自動的な」、すなわち本来備わっている)恐れや闘争・逃走反応を、1次的感情は含みます。1次的感情は意識的な考えを必要とはしません。そして、ダーウィンの6つの普遍的感情を含んでいます。反応を引き起こしているモノを認識すらしていないうちに、ほとんど無意識に、モノを避けるような1次的恐怖反応を、動物は示すことができます。大きくうるさい鳴き声、ある種のニオイ、頭上を飛んでいるもの――こうしたものや他のそのような刺激は、自動的回避反応を引き起こす「危険」の信号になることが結構あります。動物が危険な刺激に立ち向かうときには、ほとんどまったくミスの(起こる)余地はありません。ですから、自然淘汰は個の生存にとりきわめて重大な生来の反応(=自動的回避反応)の原因になりました(→自然淘汰によって個の生存にとってとても大切な生まれながらの反応を引き起こすことになりました)。
2次的感情はもっと複雑な感情です。2次的感情は大脳皮質にある高度な脳の中枢に関係しています。2次的感情は恐れや怒りの中心となる感情に関係している可能性もありますし、あるいは後悔、熱望、嫉妬のようなものに関するもっと微妙な差異をつけるものである可能性もあります。2次的感情は自動的ではありません。2次的感情は脳で処理されます。1人ひとりが2次的感情について考えたり、2次的感情について何をすればいいのかじっくりと考えたり、すなわち、ある特定の状況でどのような行動をとるのが一番いいのかをじっくりと考えたりします。意識的な思考と2次的感情は、1次的感情を生じさせた状況に対する最初の評価を変えることができます。すなわち、目に見えないものが頭上を飛んでいるときに、頭をヒョイと下げるかもしれません。しかし、それが影にすぎないとわかると、走(って逃げ)るのをやめ、その代わりに、当惑の苦痛を感じ(→驚いたことを気恥ずかしく思って)、すぐに背筋を伸ばして、何事もなかったような振りをします。
Part 4
empathy 共感、感情移入
compassion 同情、あわれみ
identify 存在をつき止める、発見する
demonstrate 示す、証明する
selfless 無私の、無私無欲の
grizzly ハイイログマ、グリズリー
cub 動物の子供、若造
stick‐stuck‐stuck くっつく、突き刺す
stick together かばい合う、くっつく
orphan 孤児にする、孤児
shoot‐shot‐shot 撃つ、銃殺する
wound 傷つける
sibling 兄弟姉妹
limp 足を引きずる
observer 観察者、見る人
come out 出て来る
pull ~ back ~を引き戻す
obviously 明らかに
troop 群れ、軍隊
halt 中止、休止、止まる、休止させる
bring ~ to a halt ~を止める
traffic 交通
encircle 取り巻く、丸く囲む
injured 傷ついている
infant 幼児
hind 後ろの
crush 押しつぶす、押し砕く
lie‐lay‐lain 横たわる
( being ) unable to ― ―できなくて
block 妨げる、ふさぐ、遮る
local 地元の
shopkeeper 店主
emotional 感情の、感動的な
massage マッサージ
finally ついに、最後に
leave the scene 現場を去る
more examples もっと多くの例
( many examples の比較級です)
many more examples ずっともっと多くの例
( many- more‐most の比較級の more を強めるときには much ではなく many を使って many more ~s と言います)
even if ~ たとえ~でも
exactly まさに、正確に、厳密には
not exactly ~ 必ずしも・厳密には~ではない
(部分否定です)
not A or B AもBもどちらも~ない
for that matter もっとはっきりと言うと、その点に関しては
across species 種を越えて
be restricted to ~ ~に限られる・限定される
instinctual 本能的な
entail 含む、引き起こす、必然的に伴う
a good deal of ~ たくさんの~
conscious thought 意識的な考え
lack 不足する、欠けている
perhaps ひょっとして~かもしれない
effective 効果的な
means 手段
cross‐species 異種間の、種を越えた
communication コミュニケーション
that’s why ~ だから~
enduring 永続的な、辛抱強い
bond つながり、結びつき、絆
being 存在
glue ノリ、接着剤
bind 結ぶ、縛る、束ねる
catalyze 促進させる、触媒作用をする
regulate 規定する
interaction 相互作用
共感や同情は、動物に存在が認められている大切な2次的感情です。というのは共感は他者への無私の世話を証明するからです(→自分を顧みないで他の存在の世話をすることを示すからです)。私がアラスカ州ホーマーにいたときに、2頭の子供のグリズリーについての話を読みました。お母さんグリズリーがロシア川の近くで撃ち殺され、孤児になった後は、2頭で寄り添って暮らしたのです。弟熊はびっこで、泳ぐのがとても遅く、食べ物をとるのに手助けが必要でしたが、お姉さん熊は、傷ついた弟熊のそばを離れないでいました。観察していた人は「メスが出てきて、魚を捕まえて、その魚を持って帰り、それからもう1頭に食べさせてあげた」と書き記しました。お姉さん熊は、明らかに弟の世話をしたのです。
インドのテズプルに住む約100頭のアカゲザルの群れについての話もあります。赤ちゃん猿が車にひかれた後、車の流れを止めたのです。後ろの両足が(車にひかれて)押しつぶされ、動けなくて道路に横になっていた怪我をした赤ん坊を、猿たちが取り囲み、すべての交通を遮断しました。地元の売店の人は「とても感動的でした。……猿のうちの何頭かは赤ちゃんの足をマッサージしました。最後には、自分たちで傷ついた赤ちゃん猿を運んで、その場を去って行きました」と語りました。
ずっともっと多くのこのような例があります(→このような例はもっともっとたくさんあります)。ですから、たとえ、動物の感情が、私たち(人間)の感情とまったく同じではないにしても、あるいはさらに言うと、種全体にわたって同じではないとしても(→もっとはっきり言うと、すべての種に共通する感情がないとしても)、このことは動物は感じないということにはなりません。動物の感情は「本能的反応」に限定されているのではなく、たくさんの意識的な思考だと思えるようなものを含んでいます。共通の言葉を持っていなくても、ひょっとすると感情は種を越えたコミュニケーションの一番効果的な手段なのかもしれないということがわかっています。私たち人間は感情を共有できますし、感情に関する言葉を理解できます。だから(こそ)私たちは、他の多くの人と深く長続きする社会的な結びつきを形作るのです。感情は(自己と他者を)結びつける接着剤です。感情は、動物であっても、人間であっても社会的な相互作用を促し、規定します。
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