Genius 2 Lesson 6 単語の意味&本文和訳 保存倉庫
Lesson 6
Machu Picchu: City in the Clouds
マチュピチュ:雲の中の都市
Part 1
cloud 雲
professor 教授
set off 出発する
investigate 調査する
ruin 廃虚、遺跡
adventurer 冒険家
jungle ジャングル、密林
overgrow ~の上に繁茂する、一面に生えて覆う
bush 低木、低木の茂み
crawl 腹這いになって動く、這う
log 丸太
poisonous 有毒の、毒を持っている
snake ヘビ
manner 方法
in this manner このようにして
come across 出会う、出くわす
archaeological 考古学的な
find 発見
name 指名する
the Seven Wonders of the World 世界の七不思議
towering そびえ立つ、非常に高い
terrace 台地、(傾斜面を平面にならし)平らになった土地
granite 花崗岩
situate 位置させる
be situated on ~ ~の上に位置する
ridge 山の背、尾根
above sea level 海抜
palace 宮殿
temple 寺院
dwelling 住居、住まい
storehouse 倉庫
ceremony 儀式
close off A from B AをBから閉ざす
the rest of ~ ~の残り
complex 複合施設、強迫観念
ditch 溝、排水溝
perhaps ひょっとすると~かもしれない
moat 堀、濠
raise 持ち上げる、高める
raised floor 上げ床、演壇、舞台
open‐air 屋外の
connect 結びつける
narrow 狭い
path 道
classical 古典の、古典的な
architectural 建築の
dry‐stone 石と石を重ねるときにモルタルやセメントを使わないで石を組み上げただけの、自然石の石壁の
block 塊、角石
precisely 正確に
bond 接着する、保証を与える
material 材料、材質
unbelievable 信じられない
indeed 実は、実際は
overpowering 圧倒するような、圧倒的な
keen 鋭い 、敏感な
What was all this for? このことすべては何のためだったのでしょうか?
1911年7月24日の朝、イェール大学の教授ハイラム・ビンガムは、ペルーの昔のインカの遺跡の記録を調査するために、冷たい雨の中、出発しました。冒険家ビンガムはジャングルを歩き続け、生い茂った低木を切り倒し、倒木によって作られた「橋」を腹這いになって渡り、毒蛇の住む地域をゆっくりと用心して進んで行きました。このような進み方で何時間か歩いた後で、ビンガムは20世紀最大の考古学的発見の1つに偶然、出会いました。2007年に新・世界の七不思議の1つにも選ばれたマチュピチュです。
ビンガムが見たものは、標高2,430mのアンデス山脈の尾根の上に位置する、切り開かれ平らになった土地と花崗岩でできた建物から成るそびえ立つ都市でした。 宮殿と寺院、住居と倉庫があります。何らかの儀式に使われたと思われる1つの場所は、残りの施設とは塀と溝、それにひょっとすると堀によって切り離されています。建物と上げ床と広場は、狭い道によって結ばれています。中央にある建物群は、そのまま積み上げられた磨かれた石の壁から成る昔からのインカの建築様式を使っています。インカの人々は、石(のカタマリ)をとても正確に切って、石(のカタマリ)と石(のカタマリ)の間に接着剤のようなものを使う必要がまったくない技術の達人でした。
ビンガムは、「信じられない夢のように思えました」と、後に書きました。実際に、マチュピチュは「世界の不思議」という言葉から期待されるものをすべて持っています。山の圧倒的な美しさ、自然と建物の完璧な調和、それにとても神秘的な感覚――こうしたものはすべて何のためのものだったのでしょうか?
Part 2
lifetime 一生、生涯
propose 提案する
main 主な、主要な
theory 理論
site 遺跡、場所、サイト
legendary 伝説的な
wage (戦闘を)する、行う
lengthy 長く続いた、長ったらしい
refuge 非難、避難場所、隠れ家
ironically 皮肉なことに
excavation 発掘
extensive 包括的な、広範囲にわたる、徹底的な、詳細な
mapping 地図作製
theorize 理論を立てる
convent 修道会、修道院
virgin 処女
holy 神聖な
order (キリスト教の)聖職の階級・序列、命令、秩序、注文
holy order 聖職
dedicate A to B AをBに捧げる
largely 大部分
skeleton 骨格、骸骨
structure 構造
specialist 専門家
remain 遺骨、死骸、遺物
prove 証明する、わかる
prove A to ― Aが―であることがわかる・証明できる
false うその、偽の、間違った
anthropologist 人類学者
examine 調べる、検査する、調査する
analysis 分析
skeletal 骨格の
gender 性別、(社会的・文化的役割としての)性
mislead‐misled‐misled 誤った方向に導く、誤解させる
relatively 比較的
normally 普通に、標準的に
powerfully 強く、強力に
ビンガムは生きている間に、マチュピチュの目的について2つの主な理論を提案しました。第1の理論は、遺跡はビルカバンバ・ラ・ビエハの伝説の「失われた都市」だというものでした。独立していたインカ帝国の支配者たちのうちの最後の生き残りが、16世紀にスペイン兵と長く続く戦いを行った場所です。
ビンガムは間違っていました。本当の「最後の避難場所」はエスピリトゥ・パンパにあったということを考古学者は今では知っています。皮肉なことに、ビンガムは1911年にエスピリトゥ・パンパを訪れていました。しかし、エスピリトゥ・パンパは伝説の都市にしては小さすぎると判断したのです。1960年代になってからの発掘と1980年代の詳細な地図作製は、ビンガムが考えていたのよりエスピリトゥ・パンパがずっと大きいということを示していました。
また、マチュピチュは、インカの太陽神インティに捧げられた選ばれし女性の聖職である「太陽の処女」のための修道院だったかもしれない、とビンガムは理論づけました。この理論は、ビンガムのチームが遺跡で埋まっているところを見つけた多くの骨格に大部分は基づいていました(→ビンガムのチームが遺跡から発掘したたくさんの骨格が、この理論の大きな根拠でした)。アメリカ人で骨格と骨の構造の専門家ジョージ・イートンは、20世紀前半に遺骨はほぼすべて女性のものだと語りました。
2000年に、この理論もやはり間違いであることが証明されました。人類学者ジョン・ヴェラーノは遺骨を詳しく調べ、骨格は約半分が男性のもので、半分は女性のものだと確認しました。ヴェラーノの分析は、イートンの時代には知られていなかった男性と女性の間の骨格の違いに基づいていました。
イートンはアンデスの人々の比較的小柄な体格のせいで誤解したのではないか、とヴェラーノは考えています。アンデスの人々の骨格は、イートンがもっとよく知っていたと思われるヨーロッパの人とアフリカの人の骨格と比べて、標準的に小さく、弱々しい造りをしています。
Part 3
rather むしろ
rather than ~ ~よりもむしろ……
resort 行楽地、リゾート地
ruler 支配者
emperor 皇帝
upper 上流の
escape 逃れる、逃げる
bring in ~ ~を連れて来る
serve 仕える、奉仕する
think of A as B AをBだと見なす・考える
royal 王立の
time‐share (別荘などが)共同使用の、タイムシェアの
condo 共同住宅、マンション
staff 職員、召使の婉曲表現
occupy 占拠する、占める
sacred 神聖な
landscape 風景、景観、地形
surround 取り囲む
treasure 大切に保存する、宝物
region 地域、地方
landform 地形、地勢
taken together すべてを考え合わせると、総合すれば
feature 特徴
cosmological 宇宙論的な、宇宙論の
hydrological 水文学の、水理学上の
geographical 地理学上の、地理的な
vast 莫大な、広大な
unlikely ありそうもない、疑わしい
it is unlikely that ~ ~である可能性は低い
conclusive 決定的な、争う余地がない
evidence 証拠
identify 1つに決定する、確定する
excavate 発掘する
rebuild 再建する、復元する
scientific 科学的な
re‐identify もう1度確定する
help + 動詞の原形 ―するのに役立つ、―するのを助ける
uncover 暴く、暴露する
clue 手がかり、ヒント
reveal 明らかにする
construction 建設
take place 起こる、起きる
subsequent 続いて起こる、その後の
disuse 不使用、廃棄、使わなくなる
考古学者は今では一般的に、「失われた都市」とか修道院というよりは、むしろマチュピチュはインカの支配者パチャクティによって自らのために作られた保養地だったということに同意しています。マチュピチュは、せわしなく騒がしい都会から逃れたいと思った皇帝や上流階級のために建てられたのかもしれません。
ですから、ビンガムが見つけた骨格は、神聖なるインカの女性の骨格ではなく、むしろマチュピチュで仕えるために、インカ帝国の至る所から連れてこられたお手伝いさんたちの骨格だったのです。「もしマチュピチュをインカの皇帝や皇帝のお客さんたちのための王立ホテルとか時間分割型の共同住宅だと考えるならば、そうすれば、こうした人たちは食事を作ったり、農作物を育てたり、場所をきれいにする職員だったということになります」とヴェラーノは言います。
考古学者であり人類学者でもあるヨハン・ラインハードの理論によれば、マチュピチュはインカ帝国の「神聖な景観」にあり特別な場所を占めていました。マチュピチュはウルバンバ川にほぼ完全に囲まれています。ウルバンバ川は、今日でもなお地域の人々によって大切にされています。マチュピチュの遺跡を守る山々もまた大切な地形です。「こうしたものを考えあわせると、こうした特徴は、マチュピチュが広大な地域の宇宙論的、水理学的、神聖な地理学的中心を形成していたことを意味しています」とラインハードは言います。
研究者が、マチュピチュの本当の目的と使い方を確定する決定的な証拠を見つける可能性は極めて低いようです。しかし、科学者たちは、遺跡を発掘し、復元し続けます。ビンガムが見つけた骨格の性別を再確定したのと同じような、現代の科学的発見は(→現代科学の粋を使った発見のおかげで)、マチュピチュを建設した理由と、マチュピチュで行われた活動と、続いて起こる使われなくなった理由を明らかにする手がかりを見つけるのに役立つ可能性があります(→手がかりが見つかる可能性があります)。
Part 4
blessing 恩恵、祝福
a mixed blessing よくもあり悪くもあること、いいことずくめではない
valuable 価値のある、貴重な
source 源
national 国民の、国家の
pride 誇り
income 収入
pollution 汚染、公害
facility 施設
around ~ ~の周りに、約~
steady 安定した、絶え間のない
contribute to ~ ~の一因となる
popularization 大衆化、一般化
spot 観光地、汚れ、場所
concern 関心、心配
impact 衝撃、影響
tourism 観光業、観光客
geologist 地質学者
warn 警告する
landslide 地滑り
send ~ ― ing ~を―させる
press 圧力をかける、要求する
draw up ~ ~をかく、~を作成する
regulate 規制する
manage 管理する、対処する
in response 答えて、応じて、返事として
master plan 基本計画
protection 保護
sanctuary 聖域、保護区
the Historic Sanctuary 歴史保護区
call for ~ ~を要求する・必要とする
investment 投資、資本投下
satellite 衛星
monitor 監視する、観察する
monitoring 監視
gift 贈り物
pass on to ~ ~へ伝える、~に受け渡す
a stamp of ~ ~のシルシ
approval 承認
give ~ a stamp of approval ~にお墨付きを与える、~を認可する
prestige 名声、威光、威厳
public 大衆の、人々の
raise awareness 意識を高める
most importantly 最も重大なことは
promote 推し進める、促進する
commitment 誓約、約束、献身
priceless お金では買えない、とても貴重な
ユネスコによって1983年に世界遺産として登録されたことは、マチュピチュにとって良いことでもあり、悪いことでもありました。マチュピチュは今では、ペルーにとって貴重な観光収入源になっているのと同様に、国家の誇りの貴重な源泉になっています。しかし、国際的な関心が高まるとともに、汚染が増え、ホテルやその他の施設を作る必要が出てきて、西洋世界の知らない実在した失われた都市を守る必要性も生じました。
1992年には1日当たりの観光客数は約100人でしたが、(それ以降)マチュピチュを訪れる人はずっと変わらず増え続けています。旅行ガイドブック、新聞、ウエブサイト、テレビ、ラジオなどのメディアは、観光地としてのマチュピチュ大衆化の大きな一因になってきています。観光業が与える影響についての心配が大きくなるにつれて、大規模な地滑りが(マチュピチュの)石の遺跡を、下を流れるウルバンバ川に押し流す可能性(→危険性)があると警告する地質学者もいます。
2002年、ユネスコはペルー政府に、マチュピチュへの訪問を制限し、この地域での地滑りに対処する計画を作るよう求めました。それに応えて、マチュピチュ歴史保護区を守る基本計画が作成されました――地滑りを衛星によって監視することを含む事業に、2006年から2010年までに1億3250万ドルの投資を必要とする計画です。
遺産は過去からの贈り物であり、私たちが今日、一緒に生活出来るものであり、私たちが次の世代に伝えるものです。世界遺産プログラムは、威厳をもたらすお墨付きを与えるためだけにあるのではなく、人々の意識を高めるため、さらに、一番大切なことは私たちのかけがえのない宝物を守る公約を推し進めるためにあるのです。
Machu Picchu: City in the Clouds
マチュピチュ:雲の中の都市
Part 1
cloud 雲
professor 教授
set off 出発する
investigate 調査する
ruin 廃虚、遺跡
adventurer 冒険家
jungle ジャングル、密林
overgrow ~の上に繁茂する、一面に生えて覆う
bush 低木、低木の茂み
crawl 腹這いになって動く、這う
log 丸太
poisonous 有毒の、毒を持っている
snake ヘビ
manner 方法
in this manner このようにして
come across 出会う、出くわす
archaeological 考古学的な
find 発見
name 指名する
the Seven Wonders of the World 世界の七不思議
towering そびえ立つ、非常に高い
terrace 台地、(傾斜面を平面にならし)平らになった土地
granite 花崗岩
situate 位置させる
be situated on ~ ~の上に位置する
ridge 山の背、尾根
above sea level 海抜
palace 宮殿
temple 寺院
dwelling 住居、住まい
storehouse 倉庫
ceremony 儀式
close off A from B AをBから閉ざす
the rest of ~ ~の残り
complex 複合施設、強迫観念
ditch 溝、排水溝
perhaps ひょっとすると~かもしれない
moat 堀、濠
raise 持ち上げる、高める
raised floor 上げ床、演壇、舞台
open‐air 屋外の
connect 結びつける
narrow 狭い
path 道
classical 古典の、古典的な
architectural 建築の
dry‐stone 石と石を重ねるときにモルタルやセメントを使わないで石を組み上げただけの、自然石の石壁の
block 塊、角石
precisely 正確に
bond 接着する、保証を与える
material 材料、材質
unbelievable 信じられない
indeed 実は、実際は
overpowering 圧倒するような、圧倒的な
keen 鋭い 、敏感な
What was all this for? このことすべては何のためだったのでしょうか?
1911年7月24日の朝、イェール大学の教授ハイラム・ビンガムは、ペルーの昔のインカの遺跡の記録を調査するために、冷たい雨の中、出発しました。冒険家ビンガムはジャングルを歩き続け、生い茂った低木を切り倒し、倒木によって作られた「橋」を腹這いになって渡り、毒蛇の住む地域をゆっくりと用心して進んで行きました。このような進み方で何時間か歩いた後で、ビンガムは20世紀最大の考古学的発見の1つに偶然、出会いました。2007年に新・世界の七不思議の1つにも選ばれたマチュピチュです。
ビンガムが見たものは、標高2,430mのアンデス山脈の尾根の上に位置する、切り開かれ平らになった土地と花崗岩でできた建物から成るそびえ立つ都市でした。 宮殿と寺院、住居と倉庫があります。何らかの儀式に使われたと思われる1つの場所は、残りの施設とは塀と溝、それにひょっとすると堀によって切り離されています。建物と上げ床と広場は、狭い道によって結ばれています。中央にある建物群は、そのまま積み上げられた磨かれた石の壁から成る昔からのインカの建築様式を使っています。インカの人々は、石(のカタマリ)をとても正確に切って、石(のカタマリ)と石(のカタマリ)の間に接着剤のようなものを使う必要がまったくない技術の達人でした。
ビンガムは、「信じられない夢のように思えました」と、後に書きました。実際に、マチュピチュは「世界の不思議」という言葉から期待されるものをすべて持っています。山の圧倒的な美しさ、自然と建物の完璧な調和、それにとても神秘的な感覚――こうしたものはすべて何のためのものだったのでしょうか?
Part 2
lifetime 一生、生涯
propose 提案する
main 主な、主要な
theory 理論
site 遺跡、場所、サイト
legendary 伝説的な
wage (戦闘を)する、行う
lengthy 長く続いた、長ったらしい
refuge 非難、避難場所、隠れ家
ironically 皮肉なことに
excavation 発掘
extensive 包括的な、広範囲にわたる、徹底的な、詳細な
mapping 地図作製
theorize 理論を立てる
convent 修道会、修道院
virgin 処女
holy 神聖な
order (キリスト教の)聖職の階級・序列、命令、秩序、注文
holy order 聖職
dedicate A to B AをBに捧げる
largely 大部分
skeleton 骨格、骸骨
structure 構造
specialist 専門家
remain 遺骨、死骸、遺物
prove 証明する、わかる
prove A to ― Aが―であることがわかる・証明できる
false うその、偽の、間違った
anthropologist 人類学者
examine 調べる、検査する、調査する
analysis 分析
skeletal 骨格の
gender 性別、(社会的・文化的役割としての)性
mislead‐misled‐misled 誤った方向に導く、誤解させる
relatively 比較的
normally 普通に、標準的に
powerfully 強く、強力に
ビンガムは生きている間に、マチュピチュの目的について2つの主な理論を提案しました。第1の理論は、遺跡はビルカバンバ・ラ・ビエハの伝説の「失われた都市」だというものでした。独立していたインカ帝国の支配者たちのうちの最後の生き残りが、16世紀にスペイン兵と長く続く戦いを行った場所です。
ビンガムは間違っていました。本当の「最後の避難場所」はエスピリトゥ・パンパにあったということを考古学者は今では知っています。皮肉なことに、ビンガムは1911年にエスピリトゥ・パンパを訪れていました。しかし、エスピリトゥ・パンパは伝説の都市にしては小さすぎると判断したのです。1960年代になってからの発掘と1980年代の詳細な地図作製は、ビンガムが考えていたのよりエスピリトゥ・パンパがずっと大きいということを示していました。
また、マチュピチュは、インカの太陽神インティに捧げられた選ばれし女性の聖職である「太陽の処女」のための修道院だったかもしれない、とビンガムは理論づけました。この理論は、ビンガムのチームが遺跡で埋まっているところを見つけた多くの骨格に大部分は基づいていました(→ビンガムのチームが遺跡から発掘したたくさんの骨格が、この理論の大きな根拠でした)。アメリカ人で骨格と骨の構造の専門家ジョージ・イートンは、20世紀前半に遺骨はほぼすべて女性のものだと語りました。
2000年に、この理論もやはり間違いであることが証明されました。人類学者ジョン・ヴェラーノは遺骨を詳しく調べ、骨格は約半分が男性のもので、半分は女性のものだと確認しました。ヴェラーノの分析は、イートンの時代には知られていなかった男性と女性の間の骨格の違いに基づいていました。
イートンはアンデスの人々の比較的小柄な体格のせいで誤解したのではないか、とヴェラーノは考えています。アンデスの人々の骨格は、イートンがもっとよく知っていたと思われるヨーロッパの人とアフリカの人の骨格と比べて、標準的に小さく、弱々しい造りをしています。
Part 3
rather むしろ
rather than ~ ~よりもむしろ……
resort 行楽地、リゾート地
ruler 支配者
emperor 皇帝
upper 上流の
escape 逃れる、逃げる
bring in ~ ~を連れて来る
serve 仕える、奉仕する
think of A as B AをBだと見なす・考える
royal 王立の
time‐share (別荘などが)共同使用の、タイムシェアの
condo 共同住宅、マンション
staff 職員、召使の婉曲表現
occupy 占拠する、占める
sacred 神聖な
landscape 風景、景観、地形
surround 取り囲む
treasure 大切に保存する、宝物
region 地域、地方
landform 地形、地勢
taken together すべてを考え合わせると、総合すれば
feature 特徴
cosmological 宇宙論的な、宇宙論の
hydrological 水文学の、水理学上の
geographical 地理学上の、地理的な
vast 莫大な、広大な
unlikely ありそうもない、疑わしい
it is unlikely that ~ ~である可能性は低い
conclusive 決定的な、争う余地がない
evidence 証拠
identify 1つに決定する、確定する
excavate 発掘する
rebuild 再建する、復元する
scientific 科学的な
re‐identify もう1度確定する
help + 動詞の原形 ―するのに役立つ、―するのを助ける
uncover 暴く、暴露する
clue 手がかり、ヒント
reveal 明らかにする
construction 建設
take place 起こる、起きる
subsequent 続いて起こる、その後の
disuse 不使用、廃棄、使わなくなる
考古学者は今では一般的に、「失われた都市」とか修道院というよりは、むしろマチュピチュはインカの支配者パチャクティによって自らのために作られた保養地だったということに同意しています。マチュピチュは、せわしなく騒がしい都会から逃れたいと思った皇帝や上流階級のために建てられたのかもしれません。
ですから、ビンガムが見つけた骨格は、神聖なるインカの女性の骨格ではなく、むしろマチュピチュで仕えるために、インカ帝国の至る所から連れてこられたお手伝いさんたちの骨格だったのです。「もしマチュピチュをインカの皇帝や皇帝のお客さんたちのための王立ホテルとか時間分割型の共同住宅だと考えるならば、そうすれば、こうした人たちは食事を作ったり、農作物を育てたり、場所をきれいにする職員だったということになります」とヴェラーノは言います。
考古学者であり人類学者でもあるヨハン・ラインハードの理論によれば、マチュピチュはインカ帝国の「神聖な景観」にあり特別な場所を占めていました。マチュピチュはウルバンバ川にほぼ完全に囲まれています。ウルバンバ川は、今日でもなお地域の人々によって大切にされています。マチュピチュの遺跡を守る山々もまた大切な地形です。「こうしたものを考えあわせると、こうした特徴は、マチュピチュが広大な地域の宇宙論的、水理学的、神聖な地理学的中心を形成していたことを意味しています」とラインハードは言います。
研究者が、マチュピチュの本当の目的と使い方を確定する決定的な証拠を見つける可能性は極めて低いようです。しかし、科学者たちは、遺跡を発掘し、復元し続けます。ビンガムが見つけた骨格の性別を再確定したのと同じような、現代の科学的発見は(→現代科学の粋を使った発見のおかげで)、マチュピチュを建設した理由と、マチュピチュで行われた活動と、続いて起こる使われなくなった理由を明らかにする手がかりを見つけるのに役立つ可能性があります(→手がかりが見つかる可能性があります)。
Part 4
blessing 恩恵、祝福
a mixed blessing よくもあり悪くもあること、いいことずくめではない
valuable 価値のある、貴重な
source 源
national 国民の、国家の
pride 誇り
income 収入
pollution 汚染、公害
facility 施設
around ~ ~の周りに、約~
steady 安定した、絶え間のない
contribute to ~ ~の一因となる
popularization 大衆化、一般化
spot 観光地、汚れ、場所
concern 関心、心配
impact 衝撃、影響
tourism 観光業、観光客
geologist 地質学者
warn 警告する
landslide 地滑り
send ~ ― ing ~を―させる
press 圧力をかける、要求する
draw up ~ ~をかく、~を作成する
regulate 規制する
manage 管理する、対処する
in response 答えて、応じて、返事として
master plan 基本計画
protection 保護
sanctuary 聖域、保護区
the Historic Sanctuary 歴史保護区
call for ~ ~を要求する・必要とする
investment 投資、資本投下
satellite 衛星
monitor 監視する、観察する
monitoring 監視
gift 贈り物
pass on to ~ ~へ伝える、~に受け渡す
a stamp of ~ ~のシルシ
approval 承認
give ~ a stamp of approval ~にお墨付きを与える、~を認可する
prestige 名声、威光、威厳
public 大衆の、人々の
raise awareness 意識を高める
most importantly 最も重大なことは
promote 推し進める、促進する
commitment 誓約、約束、献身
priceless お金では買えない、とても貴重な
ユネスコによって1983年に世界遺産として登録されたことは、マチュピチュにとって良いことでもあり、悪いことでもありました。マチュピチュは今では、ペルーにとって貴重な観光収入源になっているのと同様に、国家の誇りの貴重な源泉になっています。しかし、国際的な関心が高まるとともに、汚染が増え、ホテルやその他の施設を作る必要が出てきて、西洋世界の知らない実在した失われた都市を守る必要性も生じました。
1992年には1日当たりの観光客数は約100人でしたが、(それ以降)マチュピチュを訪れる人はずっと変わらず増え続けています。旅行ガイドブック、新聞、ウエブサイト、テレビ、ラジオなどのメディアは、観光地としてのマチュピチュ大衆化の大きな一因になってきています。観光業が与える影響についての心配が大きくなるにつれて、大規模な地滑りが(マチュピチュの)石の遺跡を、下を流れるウルバンバ川に押し流す可能性(→危険性)があると警告する地質学者もいます。
2002年、ユネスコはペルー政府に、マチュピチュへの訪問を制限し、この地域での地滑りに対処する計画を作るよう求めました。それに応えて、マチュピチュ歴史保護区を守る基本計画が作成されました――地滑りを衛星によって監視することを含む事業に、2006年から2010年までに1億3250万ドルの投資を必要とする計画です。
遺産は過去からの贈り物であり、私たちが今日、一緒に生活出来るものであり、私たちが次の世代に伝えるものです。世界遺産プログラムは、威厳をもたらすお墨付きを与えるためだけにあるのではなく、人々の意識を高めるため、さらに、一番大切なことは私たちのかけがえのない宝物を守る公約を推し進めるためにあるのです。
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