Genius 2 Lesson 4 単語の意味&本文和訳 保存倉庫
Lesson 4
Ahmed’s Gift of Life
アーメド君の命の贈り物
Part 1
refugee 難民
refugee camp 難民キャンプ
the third eldest 3番目に年上の人・子供
the Mediterranean Sea 地中海
border 国境
checkpoint 検問所、チェックポイント
soldier 兵士
machine gun 機関銃、マシンガン
be separated by ~ ~で分けられている
barrier 障壁、障害、境界線
fear 恐怖
politician 政治家
wish 望み、望む
state 国家、状態
the State of Israel イスラエル国
(教科書では State の s が小文字ですが、大文字の S がイスラエルの正式名称です)
establish 設立する、樹立する
Jew ユダヤ人
scatter 散らばる
ancestor 先祖
be forced to ― 強制的に―させられる
conflict 紛争
continue to ― ―し続ける
cost 犠牲にさせる、要する、費用
destruction 破壊
heart 中心部
block 区画
fierce 荒々しい、激しい
army 軍隊、陸軍
assault 猛攻撃、襲撃、突撃
considerable かなりの、大量の
12歳の男の子アーメド君は、ジェニンにあるパレスチナ難民キャンプで暮らしていました。アーメド君は男の子4人、女の子2人の兄弟姉妹のいる家族の3番目の子でした。家は美しい地中海からわずか20kmのところにありましたが、一度も地中海を見たことはありませんでした。地中海は遠すぎて、アーメド君と家族が訪れることはできませんでした。地中海(の海岸)に行くためには、マシンガンを持っているイスラエル兵が立っている国境の検問所を通らなければいけなかったからです。パレスチナの人たちとイスラエルの人たちは、障壁と検問所と恐怖と政治家によって隔てられています。アーメド君の願いは、ある日ジェニンの外に出て、大きな広い世界を見ることでした。
イスラエルは1948年に建国され、世界中に散らばっていたユダヤ人たちが先祖の土地に戻ることがこのとき可能になったのです。しかし、このことはまた、たくさんのパレスチナの人たちが強制的に自分たちの家を離れ、難民にならなければいけないことも意味していました。それ以来、大小の紛争が起こり続いていて、双方の側にとても多くの犠牲を出してきています。
2002年のジェニンへのイスラエル軍の激しい攻撃のさなか、アーメド君の家からわずか数ブロックしか離れていない難民キャンプの中心部が破壊されるのを、9歳のとき、アーメド君は目撃しました。大きな被害を出し、59人のパレスチナの人たちが死にました。
Part 2
festival お祭り
mark シルシをつける、表す、特徴づける
traditionally 伝統的に
dawn 夜明け
pour out on to ~ ~にどっと出ていく
by the time ~ ~するときまでに
spot 突きとめる、見分ける
jeep ジープ
imitation 模造の、模倣の
weapon 武器、兵器
fighter 戦士、戦闘機
shoot‐shot‐shot 撃つ
next to ~ ~の隣に
take a look at ~ ~を見る
realize 理解する、悟る、わかる
be dying 死にかけている、瀕死の状態にいる
transfer 運ぶ、搬送する
critical 重大な、危険な、批評の
be allowed to ― ―することを許可されている
pass through ~ ~を通過する
pray for ~ ~のために祈る
survival 生存、生き残り
be unable to ― ―することはできない
detect 検出する、見つける
function 機能、働き
it is a matter of time before ~ ~するのは時間の問題だ
ask 人 to ― 人に―するようにお願いする
make a decision 決定する、決断を下す
organ 臓器、器官、オルガン
save 救う、助ける、節約する
2005年11月、ラマダンの終わりを告げるイード・アル・フィーターと呼ばれるお祭りの初日のことでした。アーメド君はこのお休みのために買った新しい服に伝統にのっとって袖を通し、夜が明けてから家を出ました。そのときアーメド君はイスラエル軍がキャンプに侵入したことを耳にしました。子供たちは通りにどっと出てきました。家を出たときに、アーメド君はおもちゃの銃を持っていませんでした。しかし、他の子たちは持っていて、子供たちが(イスラエル)軍のジープを見つけるまでには、アーメド君は模造銃を持っていました。「ユダヤ人はアーメドを戦士だと思って、撃ったんだ。ユダヤ人が撃ってきたときには、僕はアーメドのすぐ隣に立っていて、ほんの1mしか離れていなくって」と、その瞬間のことを思い出しながら、男の子の1人が言いました。
何人かの男の子がアーメド君の家まで走って行って、両親にアーメド君が頭を打たれて、病院に連れて行かれたと言いました。アーメド君のお母さんが病院に着いたときに、一目見るなり、危ない状態だとわかりました。医師たちは、アーメド君の状態がとても危険だから、ハイファにあるイスラエルの病院にぜひ運ぶべきだと結論を下しました。
生まれて初めて、アーメド君は国境の検問所を通ることを許可されました。
アーメド君のお父さんのイスマエルさんは、息子の生存を祈っていましたが、ハイファの病院の医師たちは、どのような脳機能も検出できませんでしたから、アーメド君が死ぬのは時間の問題だと確信しました。医師たちはイスマエルさんに難しい決断をするようにお願いしなければいけませんでした。「残念ですが、お子さんを救う方法は何もありません。しかし、アーメド君の臓器は他の子供たちを救えることでしょう」と言いました。
Part 3
donate 寄付する、提供する
entire 全体の
weep 泣く、涙を流す
weep for ~ ~のためにすすり泣く
tell 人 to ― 人に―するように命令する
provide モノ to 人 人にモノを提供する・与える
It doesn’t matter who ~ 誰が~するのかは問題ではない
recall 思い出す
victim 犠牲者
at least 少なくとも
transplant 移植する
aged ~ ~歳の
name A after B BにちなんでAの名前を付ける・命名されている
die of ~ ~で死ぬ
genetic 遺伝の
donor 寄贈者、血液・臓器提供者
operation 手術
weak 弱い
a few yards 数ヤード
(1ヤード=91.44cm)
at a time 1度に
if it had not been for ~ もし~がなかったら
(仮定法過去完了=過去の事実に反することを述べるときの言い方の典型的な表現です)
precious 貴重な
by oneself 自分で、自分の力で
gesture 意思表示、気持ちを表す行為
describe 言い表す、描写する
suffering 苦しみ
grateful 感謝して
pain 痛み、苦痛、苦しみ、悲嘆
think of ~ ~のことを考える、~のことを思いやる
express 表現する
deed 行い
bridge 橋渡し、仲立ち、かけ橋
イスマエルさんにとって、息子の臓器を提供することは、たやすい決断ではありませんでした。おそらくは、イスマエルさんの全人生でしなければいけなかった一番大切で、一番難しい決断だったことでしょう。心では息子のために涙を流して泣いていましたが、イスマエルさんの知性は何か大切なことをするように語りかけていました。イスマエルさんが奥さんに聞いたときに、奥さんは「私の子は死んだのよ、でも他の人に命を提供できるかもしれないわ。それが誰かなんて関係ないわ」 イスマエルさんは「パレスチナの人たちは平和を望んでいる、みんなにとっての平和を望んでいるという世界に向けてのメッセージを、僕は持っているから、ああいう決断をしたんだ。僕は本当にアーメドにこの紛争での最後の犠牲者になってもらいたいと思ったんだ、少なくとも子供の間では(→少なくとも、もう子供には犠牲者を出したくなかったんだ)」と、(当時を)思い出しました。
アーメド君の臓器は、5人のイスラエルの子供たちと、58歳の1人の女性に移植されました。
アーメド君の心臓を受け取った(→アーメド君から心臓の提供を受けた)女の子サマー・ガッドバンちゃんは、サマーちゃんが生まれる前に、同じ遺伝的な心臓病で死んだお兄さんにちなんで名前を付けられています。サマーちゃんは臓器提供者を5年も待っていました。手術の前には、サマーちゃんはとても衰弱して1度に数ヤード以上は(→数メートルしか)歩けないほどでしたから、学校に行くのをやめていました。もしイスマエルさんの貴重な決断がなければ、サマーちゃんは自分の力では決して学校に行けなかったことでしょう。サマーちゃんのお父さんは、この提供を「愛の行い」と呼びました。サマーちゃんのお母さんは、「私も息子をなくした経験があり、アーメド君のお母様が感じていらっしゃる苦しみを言い表すことはできないことはわかります。ご自身が苦しんでいらっしゃるときに、私たちの苦しみを思いやっていただきとても感謝しています。私の気持ちを言葉で表現するのは難しいことです。ご家族の行いは平和へのかけ橋になります」と話しました。
Part4
interview インタビューをする
feedback 反響、意見、調査結果、フィードバック
occupation 占領
guess 思う
demonstration 示威運動、デモ、証明、例証
go on 続く
in sight 目に見えて
with no end in sight いつまで続くのか見当がつかずに、まったく終わりの見えない
painful 痛々しい
gut‐wrenching 断腸の思い、苦悩に満ちた
be ready to ― ―する準備ができている
philosophy 哲学
fighting 戦い
it is now time to ― 今や―するときです
put an end to ~ ~を終わらせる
This is why こういうわけで~です
reach out to ~ ~を見守り助ける、~に援助の手を差し伸べる、~に働きかける
make peace with ~ ~と仲直りする
far more than ~ ~をはるかに超える
contact 連絡を取る
contribute to ~ ~に貢献する、~の一因になる
solution 解決策
peaceful 平和な
permanent 永遠の
イスマエルさんは2010年にインタビューを受け、自分の決断と世界中からの反響について話しました。
「占領下に暮らすことはとても困難なことです。占領下の生活がどのようなものなのか想像するのは、誰にとってもとても難しいと思います。パレスチナの人たちは、今では60年以上もの間、そうした状況下で苦しんできています。私たちは違う方法、苦しみと闘う違った方法を試したことがあります。デモに(→デモをしたり)、壁に主張を書いたり、武器を……でもまだ占領状態はそこにあるのです(→でも今でも占領は続いています)。何も変わってはいません。そして占領状態はずっとずっとどこまでも、終わりが見えないまま(→果てしなく)続くのです」
「(君自身の)家族のメンバーを失うことは、とても痛々しいことでした。断腸の思いでした。言葉に言い表せません。アーメドは、息子は、死んでしまったのです。なぜですか? 何のためですか? 次はだれが犠牲になるというのでしょうか? 私の人生の中でこの瞬間が考え方を変えさせてくれました。新しい哲学を見つけ出す準備ができていたのです。以前持っていた哲学とは違う哲学です」
「イスラエルに、世界全体に新しいメッセージを伝えることを考え始めました。戦いはやめなければいけない! 2度と戦争はごめんです! 私は、ご自分のお子さんたちを(私と)同じように失っているイスラエルのすべての方に伝えたかったのです。この紛争を終わらせるのは今なんです、と。戦争がなくなればいいのにと思っています。こういうわけで、私は敵に援助の手を差し伸べて、敵と仲直りしたのです」
「私の決断への反響は、パレスチナの人たちもイスラエルの人たちも双方の側から100人をはるかに超える方たちが、私に連絡してくださったというものです(→私の決断は~という反響を呼んでいます)。みなさん、平和的で、永遠に続くカタチでこの戦争を最終的に終わらせる解決策を見つけることに貢献したいと願っていらっしゃるんです」
Ahmed’s Gift of Life
アーメド君の命の贈り物
Part 1
refugee 難民
refugee camp 難民キャンプ
the third eldest 3番目に年上の人・子供
the Mediterranean Sea 地中海
border 国境
checkpoint 検問所、チェックポイント
soldier 兵士
machine gun 機関銃、マシンガン
be separated by ~ ~で分けられている
barrier 障壁、障害、境界線
fear 恐怖
politician 政治家
wish 望み、望む
state 国家、状態
the State of Israel イスラエル国
(教科書では State の s が小文字ですが、大文字の S がイスラエルの正式名称です)
establish 設立する、樹立する
Jew ユダヤ人
scatter 散らばる
ancestor 先祖
be forced to ― 強制的に―させられる
conflict 紛争
continue to ― ―し続ける
cost 犠牲にさせる、要する、費用
destruction 破壊
heart 中心部
block 区画
fierce 荒々しい、激しい
army 軍隊、陸軍
assault 猛攻撃、襲撃、突撃
considerable かなりの、大量の
12歳の男の子アーメド君は、ジェニンにあるパレスチナ難民キャンプで暮らしていました。アーメド君は男の子4人、女の子2人の兄弟姉妹のいる家族の3番目の子でした。家は美しい地中海からわずか20kmのところにありましたが、一度も地中海を見たことはありませんでした。地中海は遠すぎて、アーメド君と家族が訪れることはできませんでした。地中海(の海岸)に行くためには、マシンガンを持っているイスラエル兵が立っている国境の検問所を通らなければいけなかったからです。パレスチナの人たちとイスラエルの人たちは、障壁と検問所と恐怖と政治家によって隔てられています。アーメド君の願いは、ある日ジェニンの外に出て、大きな広い世界を見ることでした。
イスラエルは1948年に建国され、世界中に散らばっていたユダヤ人たちが先祖の土地に戻ることがこのとき可能になったのです。しかし、このことはまた、たくさんのパレスチナの人たちが強制的に自分たちの家を離れ、難民にならなければいけないことも意味していました。それ以来、大小の紛争が起こり続いていて、双方の側にとても多くの犠牲を出してきています。
2002年のジェニンへのイスラエル軍の激しい攻撃のさなか、アーメド君の家からわずか数ブロックしか離れていない難民キャンプの中心部が破壊されるのを、9歳のとき、アーメド君は目撃しました。大きな被害を出し、59人のパレスチナの人たちが死にました。
Part 2
festival お祭り
mark シルシをつける、表す、特徴づける
traditionally 伝統的に
dawn 夜明け
pour out on to ~ ~にどっと出ていく
by the time ~ ~するときまでに
spot 突きとめる、見分ける
jeep ジープ
imitation 模造の、模倣の
weapon 武器、兵器
fighter 戦士、戦闘機
shoot‐shot‐shot 撃つ
next to ~ ~の隣に
take a look at ~ ~を見る
realize 理解する、悟る、わかる
be dying 死にかけている、瀕死の状態にいる
transfer 運ぶ、搬送する
critical 重大な、危険な、批評の
be allowed to ― ―することを許可されている
pass through ~ ~を通過する
pray for ~ ~のために祈る
survival 生存、生き残り
be unable to ― ―することはできない
detect 検出する、見つける
function 機能、働き
it is a matter of time before ~ ~するのは時間の問題だ
ask 人 to ― 人に―するようにお願いする
make a decision 決定する、決断を下す
organ 臓器、器官、オルガン
save 救う、助ける、節約する
2005年11月、ラマダンの終わりを告げるイード・アル・フィーターと呼ばれるお祭りの初日のことでした。アーメド君はこのお休みのために買った新しい服に伝統にのっとって袖を通し、夜が明けてから家を出ました。そのときアーメド君はイスラエル軍がキャンプに侵入したことを耳にしました。子供たちは通りにどっと出てきました。家を出たときに、アーメド君はおもちゃの銃を持っていませんでした。しかし、他の子たちは持っていて、子供たちが(イスラエル)軍のジープを見つけるまでには、アーメド君は模造銃を持っていました。「ユダヤ人はアーメドを戦士だと思って、撃ったんだ。ユダヤ人が撃ってきたときには、僕はアーメドのすぐ隣に立っていて、ほんの1mしか離れていなくって」と、その瞬間のことを思い出しながら、男の子の1人が言いました。
何人かの男の子がアーメド君の家まで走って行って、両親にアーメド君が頭を打たれて、病院に連れて行かれたと言いました。アーメド君のお母さんが病院に着いたときに、一目見るなり、危ない状態だとわかりました。医師たちは、アーメド君の状態がとても危険だから、ハイファにあるイスラエルの病院にぜひ運ぶべきだと結論を下しました。
生まれて初めて、アーメド君は国境の検問所を通ることを許可されました。
アーメド君のお父さんのイスマエルさんは、息子の生存を祈っていましたが、ハイファの病院の医師たちは、どのような脳機能も検出できませんでしたから、アーメド君が死ぬのは時間の問題だと確信しました。医師たちはイスマエルさんに難しい決断をするようにお願いしなければいけませんでした。「残念ですが、お子さんを救う方法は何もありません。しかし、アーメド君の臓器は他の子供たちを救えることでしょう」と言いました。
Part 3
donate 寄付する、提供する
entire 全体の
weep 泣く、涙を流す
weep for ~ ~のためにすすり泣く
tell 人 to ― 人に―するように命令する
provide モノ to 人 人にモノを提供する・与える
It doesn’t matter who ~ 誰が~するのかは問題ではない
recall 思い出す
victim 犠牲者
at least 少なくとも
transplant 移植する
aged ~ ~歳の
name A after B BにちなんでAの名前を付ける・命名されている
die of ~ ~で死ぬ
genetic 遺伝の
donor 寄贈者、血液・臓器提供者
operation 手術
weak 弱い
a few yards 数ヤード
(1ヤード=91.44cm)
at a time 1度に
if it had not been for ~ もし~がなかったら
(仮定法過去完了=過去の事実に反することを述べるときの言い方の典型的な表現です)
precious 貴重な
by oneself 自分で、自分の力で
gesture 意思表示、気持ちを表す行為
describe 言い表す、描写する
suffering 苦しみ
grateful 感謝して
pain 痛み、苦痛、苦しみ、悲嘆
think of ~ ~のことを考える、~のことを思いやる
express 表現する
deed 行い
bridge 橋渡し、仲立ち、かけ橋
イスマエルさんにとって、息子の臓器を提供することは、たやすい決断ではありませんでした。おそらくは、イスマエルさんの全人生でしなければいけなかった一番大切で、一番難しい決断だったことでしょう。心では息子のために涙を流して泣いていましたが、イスマエルさんの知性は何か大切なことをするように語りかけていました。イスマエルさんが奥さんに聞いたときに、奥さんは「私の子は死んだのよ、でも他の人に命を提供できるかもしれないわ。それが誰かなんて関係ないわ」 イスマエルさんは「パレスチナの人たちは平和を望んでいる、みんなにとっての平和を望んでいるという世界に向けてのメッセージを、僕は持っているから、ああいう決断をしたんだ。僕は本当にアーメドにこの紛争での最後の犠牲者になってもらいたいと思ったんだ、少なくとも子供の間では(→少なくとも、もう子供には犠牲者を出したくなかったんだ)」と、(当時を)思い出しました。
アーメド君の臓器は、5人のイスラエルの子供たちと、58歳の1人の女性に移植されました。
アーメド君の心臓を受け取った(→アーメド君から心臓の提供を受けた)女の子サマー・ガッドバンちゃんは、サマーちゃんが生まれる前に、同じ遺伝的な心臓病で死んだお兄さんにちなんで名前を付けられています。サマーちゃんは臓器提供者を5年も待っていました。手術の前には、サマーちゃんはとても衰弱して1度に数ヤード以上は(→数メートルしか)歩けないほどでしたから、学校に行くのをやめていました。もしイスマエルさんの貴重な決断がなければ、サマーちゃんは自分の力では決して学校に行けなかったことでしょう。サマーちゃんのお父さんは、この提供を「愛の行い」と呼びました。サマーちゃんのお母さんは、「私も息子をなくした経験があり、アーメド君のお母様が感じていらっしゃる苦しみを言い表すことはできないことはわかります。ご自身が苦しんでいらっしゃるときに、私たちの苦しみを思いやっていただきとても感謝しています。私の気持ちを言葉で表現するのは難しいことです。ご家族の行いは平和へのかけ橋になります」と話しました。
Part4
interview インタビューをする
feedback 反響、意見、調査結果、フィードバック
occupation 占領
guess 思う
demonstration 示威運動、デモ、証明、例証
go on 続く
in sight 目に見えて
with no end in sight いつまで続くのか見当がつかずに、まったく終わりの見えない
painful 痛々しい
gut‐wrenching 断腸の思い、苦悩に満ちた
be ready to ― ―する準備ができている
philosophy 哲学
fighting 戦い
it is now time to ― 今や―するときです
put an end to ~ ~を終わらせる
This is why こういうわけで~です
reach out to ~ ~を見守り助ける、~に援助の手を差し伸べる、~に働きかける
make peace with ~ ~と仲直りする
far more than ~ ~をはるかに超える
contact 連絡を取る
contribute to ~ ~に貢献する、~の一因になる
solution 解決策
peaceful 平和な
permanent 永遠の
イスマエルさんは2010年にインタビューを受け、自分の決断と世界中からの反響について話しました。
「占領下に暮らすことはとても困難なことです。占領下の生活がどのようなものなのか想像するのは、誰にとってもとても難しいと思います。パレスチナの人たちは、今では60年以上もの間、そうした状況下で苦しんできています。私たちは違う方法、苦しみと闘う違った方法を試したことがあります。デモに(→デモをしたり)、壁に主張を書いたり、武器を……でもまだ占領状態はそこにあるのです(→でも今でも占領は続いています)。何も変わってはいません。そして占領状態はずっとずっとどこまでも、終わりが見えないまま(→果てしなく)続くのです」
「(君自身の)家族のメンバーを失うことは、とても痛々しいことでした。断腸の思いでした。言葉に言い表せません。アーメドは、息子は、死んでしまったのです。なぜですか? 何のためですか? 次はだれが犠牲になるというのでしょうか? 私の人生の中でこの瞬間が考え方を変えさせてくれました。新しい哲学を見つけ出す準備ができていたのです。以前持っていた哲学とは違う哲学です」
「イスラエルに、世界全体に新しいメッセージを伝えることを考え始めました。戦いはやめなければいけない! 2度と戦争はごめんです! 私は、ご自分のお子さんたちを(私と)同じように失っているイスラエルのすべての方に伝えたかったのです。この紛争を終わらせるのは今なんです、と。戦争がなくなればいいのにと思っています。こういうわけで、私は敵に援助の手を差し伸べて、敵と仲直りしたのです」
「私の決断への反響は、パレスチナの人たちもイスラエルの人たちも双方の側から100人をはるかに超える方たちが、私に連絡してくださったというものです(→私の決断は~という反響を呼んでいます)。みなさん、平和的で、永遠に続くカタチでこの戦争を最終的に終わらせる解決策を見つけることに貢献したいと願っていらっしゃるんです」
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